NORTH SPEED LOAD│バイクサーキット

間違いやすいタイヤの空気圧

セオリーのみが正しいわけではない

タイヤの空気圧は状況によって変化させるのが正しいため、限られたタイヤの空気圧以外は良くないわけではありません。

例えばサーキット走行用のタイヤの空気圧では、「落としすぎたほうが良い」という意見もありますが、特に落としすぎたほうが良い理由はありませんので、あまりタイヤの空気圧に対してナーバスにならないほうが良いです。
例えば、サーキット走行用として前後とも約180kPaというのは、落とし過ぎと判断されることが多く、このような対応によって、よりタイヤが使いやすくなるわけではありません。

ちなみに、大型スポーツバイクの場合であっても、フロント2.5、リヤ2.9の設定のまま走行される人は多いです。
前述の設定では2.0を下回っていますので、タイヤの空気圧はサーキット走行に適していないことが良くわかります。

補足となりますが、適切なタイヤの空気圧はチェーンケース、もしくはスイングアームに貼られているステッカーのみで確認できます。
良く知らずにタイヤの空気圧をイジってしまうケースでは、これらのチェックが欠けているために起きているだけです。

他にも注意点はあるのですが、OEタイヤを用いる際は、落とし過ぎに注意したほうが良いでしょう。
というのも「1割程度で留めたほうが良い」タイヤだからです。

OEタイヤの空気圧は、サーキット走行用のみで決まっているわけではなく、ワインディングロード、高速道路を用いたタンデムツーリングを意識しているものなので、落とし過ぎて良いことはなにもありません。
もしタイヤの空気圧を落とし過ぎると、路面コンディションが雨などの影響で悪化している場合、安定した走行をできなくなってしまいます。

走行の目的を意識する

タイヤには用途があり、OEタイヤとサーキット走行用タイヤには大きな差があります。

その差とは走行目的によって発生し、OEタイヤの場合は安全性、サーキット走行用タイヤの場合は快適な走行性能、タイムを縮めるためにグリップさせる目的が含まれているのです。
サーキット走行用タイヤはコンパウンド、プロファイル、内部構造のすべてが異なっていますので、OEタイヤに比べて無茶ができるようになっています。

そのため、MotoGPで使用されることが多いレーシングスリックの空気圧は、1.2程度まで下げられることがあるだけなのです。
レーシングスリックの場合、1日で使い切るほどの目的でタイヤが開発されているため、これほどの無茶をしたとしても問題ありません。

OEタイヤで同等のことをしようとした場合、急にハンドリングが怪しくなる、グリップしている際の接地感が弱まるなど、乗り手にとっても面白くない出来事が良く起きます。