NORTH SPEED LOAD│バイクサーキット

サーキットで転倒し脳震盪になってしまったときの話

サーキット走行中に転倒する原因と対処

サーキットでバイクを運転していて転倒する可能性は、常にあります。
例えば、車体を倒し過ぎてタイヤがグリップを失ったり、急にグリップが強く効き挙動が不安定になったりして、バイクから放り出されてしまうことがあるのです。
また、マシン自体のトラブルで操作していないのにブレーキが作動してしまい、転倒するということも起こり得ます。
さらに、他のライダーと接触あるいは追突された結果転倒するということもあるでしょう。

バイクで転倒して体が放り出されてしまったら、すぐに体を丸めて首を守る動作をしましょう。
サーキット用のヘルメットは頑丈なので、頭部は意外としっかり保護されています。
一方、首の周りはあまり保護されていないため、体を可能な限り丸めることで衝突によるケガのリスクを抑えることができます。

体の動きが止まったら、すぐに起き上がるのではなく、慎重に体をチェックして外傷がないか確認していきましょう。
事故が起きると体内では大量のアドレナリンが分泌されるため、ひどい怪我があってもその瞬間はほとんど痛みを感じません。
ですから、しっかり目視をして怪我の有無を確認することが大切です。
サーキットには専任のスタッフがいますから、無理に転倒したバイクを起こそうとする必要はありません。

脳震盪の持つリスクを知ろう

転倒後にわずかな時間でも意識を失った状態になっていたなら、脳震盪を起こしている可能性があります。
事故の状況をまったく思い出せないなら、ほぼ確実に脳震盪を起こしていると言えるでしょう。
また、少し時間をおいて気持ちが落ち着いてきたときに、強い頭痛や吐き気がする場合も脳震盪が強く疑われます。
こうしたケースでは、すぐに医師へ相談して診察と検査を受けるようにしましょう。

脳震盪は、事故などの衝撃によって脳が強く揺さぶられてしまい、脳細胞の一部が損傷する、もしくは脳内の神経伝達物質が正しく伝達されなくなる状態のことです。
これが軽度であれば、時間の経過とともに脳の働きが徐々に回復するので、恒久的なダメージが残る心配はほぼありません。
目安となるのは6週間から8週間程度です。

一方、脳細胞がひどく損傷してしまったり、脳出血を起こしたりすると、対処が遅れた場合には重度の障害が残る可能性があります。
ですから、脳震盪が疑われる時にはできるだけ早くCTなどで脳の状態を検査する必要があるのです。
脳震盪が軽度であったとしても、脳と神経にダメージが加わったことは事実なので、当面の間は頭部と首に負担がかからないよう注意しなければなりません。
再びサーキットで運転したいのであれば、先述の通り少なくとも2カ月程度は肩から上に負担がかかるような動きは一切避けるのが賢明です。