NORTH SPEED LOAD│バイクサーキット

バイク・Ducati「Multistrada950」

イタリアの名門

イタリアの名門ドゥカティといえば、過激さが売りのメーカーです。
古くはマイクヘイルウッドレプリカからMotoGPの公道仕様車であるデスモセディチRRや851から続くスーパーバイク用マシンなど、超前傾姿勢の攻撃的ポジションが有名です。
レースに直結(レプリカモデルやホモロゲーションモデル)していないバイクもこれまでに販売していますが、クラシックやパラツインであっても前傾ポジションが多く、古いファンにとってはドゥカティ=過激というのは拭えませんでした。

1993年ドゥカティはネイキッドモデルであるモンスターを登場させますが、それまでのネイキッドのように楽なポジションではなく、ドゥカティとしては緩めのポジションですが前傾姿勢であることに変わりはありませんでした。
ですが2003年登場したムルティストラーダは、これまでのドゥカティと違い、コーナーを攻めるポジションではなく、快適かつ爽快に走ることのできるポジションでした。

ムルティストラーダ

ムルティストラーダ(Multistrada)はイタリア語で「多様な道」という意味を示すもので、あらゆる路面状況においても性能を発揮できるというコンセプトを基に開発されました。
2003年に1000が登場し、2006年には日本では620の販売も開始されました。
2007年には1100。2010年には1200が販売を開始しています。
2009年までの1100までは舗装路専用バイクでしたが、2010年の1200は未舗装路を前提としたデュアルパーパスモデルとなっています。

日本人向けの950

ドゥカティの2017年モデルが発表になり、ムルティストラーダモデルのMultistrada950が登場しました。
日本では2007年に620はラインナップから外されていますので、国内では最小排気量のマシンになります。
とはいうものの950ccという排気量は十分過ぎる排気量であり、日本人に最適のモデルだといえます。

Multistrada950はそのコンセプト通りに、操作性と走破性に優れており道が続く限りどこまでも走ることができます。
タンク容量は20Lと大きく、そのエンジン特性とあいまって長距離も苦になりません。

過激さが売りのデゥカティLツインエンジンですが、レプリカモデルと違い高回転重視ではなく低回転からトルクを十分に発生し非常に扱い易いだけではなく、DTC(ドゥカティ・トラクション・コントロール)とABS、ドゥカティ・ライディング・モードによりいかなるステージでも安全で快適な旅を保証してくれます。
昔からあるエンデューロマシンは、ライダーの技量や経験により安全は左右されていましたが、Multistrada950はハイテクにより安全を約束してくれるのです。

ハイテクだけがMultistrada950の売りではありません。
シートはライダーだけの設計ではなく後部の座面が広く同乗者にも優しい設計になっており、両サイドにパニアケースが取り付けられる設計になっており、大型バックが安定して設置できます。
タンデムでもシングルでも楽しむことができる設計なのです。