NORTH SPEED LOAD│バイクサーキット

バイク・MVアグスタ「ドラッグスター800RC」

走る宝石

海外メーカーや国内メーカー、すべてのメーカーの中でも、MVアグスタは特別なメーカーだといわれています。
MVアグスタは1923年に航空会社として設立されました。
1943年からモペットの製造を開始し、1945年オートバイの生産を本格的に開始します。
1948年にレースの参戦を開始し、1976年のレース撤退に至るまで、優勝3027回(世界GP270回)、獲得したタイトル37個とまさにレース界を牽引したメーカーでした。

この期間に販売された市販車は、レーサー並みの高性能を誇りながらも、高価で販売台数の少なさから走る宝石といわれました。
アグスタのバイクは超限定レーサーレプリカの走りだったといえるでしょう。

アグスタは1977年、完全に撤退します。
そして1997年にカジバにより再興しますが、次々と会社は買収され続けます。
会社自体は悲運ともいえる運命をたどっていますが、それにより一層高性能のバイクたちは宝石と崇められ、世界中のファンを魅了し続けているのです。

最強ネイキッド登場

そのアグスタから2017年1月発売を予定されているのがドラッグスター800RCです。
ブルターレシリーズであるDRAGSTER RRをモデルに登場した世界350台の限定モデルです。

アグスタは現在、スーパーバイク選手権をF4で戦っています。
ドラッグスター800RCはカウルレスモデルであり、F4とはかなり違います。
ですがF4により継承されているアグスタ伝統のレーシングスピリットを注ぎ込まれたモデルなのです。

ドラッグスター800RCは水冷並列3気筒800ccエンジンをトレリスフレームに搭載しています。
フロントはフルアジャスタブルの倒立サス。リアはザックスのフルアジャスタブルの片持ちとなっています。
マフラーは片側3本出しというかなり特徴的なデザインになっています。

13100rpmで140hpを発揮する高出力エンジンは52kgと非常に軽く、クイックシフター EAS2.0やトラクションコントロール、Motor & Vehicle Integrated Control Systemにより高性能でありながらライダーの好みに合わせて走ることができます。
ワークス風のカラーリングとスポンサーロゴに彩られ、フロントスクリーン、フロントフェンダー、ラジエーターカバーなどがカーボン製で、レーシーな雰囲気を演出するだけでなく計量化にも貢献しています。

DRAGSTER RRはスポークホイールですが、ドラッグスター800RCはRC鍛造ホイールを装着しています。これは見かけだけではなく、軽量化に大きな役割を果たしています。
ホイールの軽量化は、加速だけでなくコーナーリングにも大きな影響を与えますので、限定モデルというのは伊達ではないのです。
ドラッグスター800RCは最強ネイキッドという名に相応しい、F4へと続くMVアグスタのレーシングスピリッツを継承されたバイクなのです。